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「ベンチャー企業・中小企業支援策の必要性」
日本ではベンチャー企業が育ちにくいと言われている。それはもともと日本人は農耕民族でリスクをとるという気風に乏しいのではないかといった民族的な問題だけではなしに、ベンチャー企業に対する実効のある支援策がほとんどなかったこともあげられる。ソニーやホンダ、トヨタなどのように、ベンチャーの先駆けとして世界的な成功を収めている企業もあるが、それは全体の中の一部に過ぎない。

1999年10月5日
石原知事、大田区の中小企業を視察
画像提供:東京都 |
それでは企業にとって実効のある支援策とはどのようなものなのだろうか?
第一にあげられるのは、やはり企業にとっての血液とも言える「資金」の調達策であろう。これまで日本の企業の資金調達方法は、銀行を始めとする金融機関からの融資がほとんどを占めていた。所謂「間接金融」である。
バブルの狂乱の中、銀行は、担保となる土地さえあれば、どこにでも資金を貸し付けていた。銀行は自らの利益を上げるためだけに、まともな審査もせずに、潤沢な資金をばら撒いていたのである。そのためにバブルは更に膨張を続けた。
そして政府が不動産価格の高騰抑制策として、不動産業界などへの融資の総量規制を実施したことを皮切りに、バブルはその言葉通りに「実態のない見せかけだけのもの」として崩れ去っていった。
その後、銀行などによる「貸し渋り」が横行し、それは現在でも続いている。アメリカでは金融機関に企業の技術力や潜在的な可能性などを見極める調査員が置かれ、将来性のある企業には融資を行うというシステムが確立されている。
しかし邦銀はそのような審査能力がなく、相変わらず融資の際には「まず担保ありき」となっている。そしてその担保も不動産有価証券が中心なので、担保価値の下がっている現状では簡単に融資を行えない。

2001年2月13日
ベンチャー支援施設視察
画像提供:東京都 |
このような環境下では当然のことながら、不確実性に挑むベンチャー企業や担保のない中小企業が資金を調達することは困難である。
バブルが弾け、地価は確かに下がったが、それでも東京の不動産価格は驚くほど高く、産声を上げたばかりの企業にとってはオフィスの賃料の負担も大きな問題だ。
石原はそういった状況を見かねて、ベンチャー企業・中小企業支援策に乗り出したのである。
具体的には
「新債券市場創設」
「中小企業への投資組合の設立」
「インキュベータ・オフィスの無償提供」
「創業支援施設(スモールオフィス)」
「固定資産税・都市計画税2割減免」
などの支援である。
「新債券市場構想 −CLO、CBOの発行−」
石原は衆議院時代から、潜在的な技術力を持った中小企業に直接融資することができる市場作りを国家規模で行う必要性を感じ、それを繰り返し訴えてきた。
しかし1999年(平成11年)の石原の都知事就任当時も、そのような直接金融市場は形成されていなかった。冒頭で示した銀行などの「貸し渋り」により、存続の危機に立たされている中小企業が後を絶たない状況であった。
そこで石原は国会議員時代に成しえなかった中小企業のための新たな資金調達の場である「新債券市場の創設」を公約に掲げたのである。これは国政レベルの政策であった。
実現不可能と方々から揶揄された石原の思いは、都がリーダーシップをとり、金融機関の中小企業に対する新規融資債権を証券化した「ローン担保証券(CLO)」を投資家に販売するという形で実現した。
東京信用保証協会の保証が付いているということもあり、「ローン担保証券(CLO)」の販売は、投資家の購買意欲を上手く刺激し、結果、当初の予想を大幅に上回る約1700社の中小企業に対して、機関投資家から約700億円の新たな資金供給が行われ、新債券市場は幸先の良いスタートを切った。
現在はCLOの他に、中小企業が発行する社債を担保に証券を販売し、資金調達するCBO(社債担保証券)という手法も導入された。これらの先進的な取り組みは日銀からも高い評価を受けている。
この政策は、現在の平成不況の元凶であるにもかかわらず、自分達にとって都合の良い企業にしか融資しない銀行と、それを拱手傍観しているだけの国に対して「NO」を叩きつけるものであり、間接金融から直接金融へのシフトの大きな第一歩である。
最新情報および詳細はこちらから
「東京都債券市場構想」ホームページ
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/clo/sub1.htm
「中小企業への投資組合の設立」
東京中小企業投資事業有限責任組合とは、将来性があるにもかかわらず資金調達が困難なベンチャー企業などに投資をするために設立されたものである。1998年(平成10年)に「中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律」が施行されて以来、地方自治体としては初めての試みだ。この法律に準拠することにより、出資額以上のリスクを回避しながらも、ベンチャー企業を直接的且つ効果的に支援することが可能になった。
組合設立のため、東京都と中小企業総合事業団がそれぞれ7億5000万円ずつ出資し、東京中小企業投資育成株式会社が15億円の出資を行った。投資額の7割以上が、設立7年以下の企業等を対象としており、若い企業への重点的な投資が特徴となっている。
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「産業労働局」ホームページ
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/
「インキュベータ・オフィスの無償提供」
この政策は、都の空き庁舎をベンチャー企業に、インキュベータ・オフィスとして無料で貸し出すという政策である。インキュベータ・オフィスとは創業まもない企業を支援するためのオフィスのことだ。「インキュベータ」という、卵の孵化などに用いる一定の温度を保つ容器に由来している。
現在、墨田区と八王子市にある空き庁舎の貸し出しが行われている。
入居対象者は、都内に住所を有する者、または都内に主たる事務所がある中小企業者で、現に事務所の確保が必要と認められ、今後成長が期待される有望分野(情報・福祉・環境等)において創業を図ろうとする者、または創業一年未満の中小企業者である。
入居期間中に、企業の利益が上がった時点で、税引き前の10パーセントを徴収するといういわゆる「出世払い」のシステムを取っている。
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「産業労働局」ホームページ
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「創業支援施設(スモールオフィス)」
スモールオフィスとは、大部屋を簡易パーテーションで間仕切したオフィススペースのことである。臨海副都心にある「タイム24ビル」内、及び「東京ファッションタウンビル」内に開設された。
入居対象者は、両ビル共に、情報関連産業、ファッション、生活関連産業等で、都内で創業を図る者、または創業後三年未満の中小企業者であり、入居に際しては東京都が家賃の半分を補助している。これらの政策によって石原は、夢を持っている若い企業にジャパンドリーム・東京ドリームの足がかりを与えたのである。チャンスは与えられた。あとはそれを具体的にどう生かすか、企業の手腕が問われている。
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「産業労働局」ホームページ
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/
「固定資産税・都市計画税2割減免」
バブル経済の発生と崩壊により急激な地価の上昇と下落が起こったにもかかわらず、国は固定資産税について有効な策を講じることができなかった。そのため、大都市の商業地において、本来連動するはずの地価と税負担が大きく乖離しているという土地税制上の矛盾を引き起こしている。
特に東京の23区では、全国の中でも最も過大な負担を強いられ、不況に苦しむ商店街や民間企業の経営はひどい圧迫を受けている。
上述した状況を見かねた石原は、早急に支援が必要と判断し、急遽、固定資産税・都市計画税を2割減免するという政策を打ち出した。
減免の対象は東京23区の個人、中小企業が所有する小規模な非住宅用地で、一画地の面積が400平方m以下の非住宅用地のうち200平方mに相当する税額の2割を減免するというものだ。対象件数は約23万件にのぼり、
固定資産税と都市計画税の合計で約260億円の減免措置となる。この政策により23区の税負担が全国の平均的な水準にまで戻ることになる。
「公平、公正であることが税制の基本である。政治、行政の不作為により損失を被るのは、都民・国民である。国家の非常事態の中で、独自の対応が可能なものについては、時に都政の守備範囲を超えることがあっても、速やかに行動することが重要なのだ」
このような石原の強い思いによってこの政策は実現した。
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「主税局」ホームページ
http://www.tax.metro.tokyo.jp/


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