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「待機児童とは?」
待機児童とは、国の認可保育所に申し込み、用件を満たしているものの、保育所の不足により、入所待ちを余儀なくされている児童のことを指す。2001年(平成13年)4月の時点で、その数は都内だけで7348人にものぼっていた。日本の出生率は1970年代前半までは2.1程度で安定していたが、75年に2.0を割り込んだからは、ほぼ一貫して下がっている。
結果、現在の児童人口は25年前の約半分となっている。それに対して、その間、認可保育所の数は増加している。
子供の数が減り、それを受け入れる保育所の数は増えている中で、何故に待機児童が生じるのか。そこには社会情勢の変化や、女性のライフスタイルの変化に応えられない国の認可保育所の制度疲労がある。
「低年齢児の受け入れ体制が整っていない」
待機児童はバブル経済崩壊まではさして問題ではなかった。待機児童の増加が叫ばれてきたのは、ここ10年、つまりバブル崩壊以後「失われた10年」と呼ばれる中でのことだ。
その背景には女性の社会進出の増加がある。バブル崩壊後の不景気の煽りにより、出産後すぐに働かざるを得なくなった女性が増えたことを始め、出産・育児だけでなく仕事も続けるといった女性のライフスタイルの変化が、低年齢児からの保育需要を高めているのだ。
しかし国の認可保育所の低年齢児の枠は非常に狭いのが実情だ。そのため都内の待機児童の8割は、0,1,2歳児といった低年齢児が占めている。これまでは多くの母親が家庭で育児を行い、3歳児くらいになると保育所に預けていたため、低年齢児の枠は狭く設定されているのである。低年齢児からの保育を必要とするものは、経済的事情により、やむを得ず出産後すぐに働きに出る母親が対象であり、少数派だったのである。
「需要と供給のミスマッチ」
国の認可保育所の受け入れ基準に「保育に欠けている状態」というものがある。「保育に欠けている状態」とは「両親とも昼間働いていることを常態としている」ことを指す。
このような基準下では「これから働きに出るから預かって欲しい」という女性は、保育に欠ける条件の度合いが少ないとされ、入所待ちを余儀なくされる。結果、働きたくとも育児に追われ、仕事を見つけることができないという負のスパイラルに陥るというケースも多い。
国の認可保育所は11時間保育だが、それも「両親とも昼間働いていることを常態としている」ことが根拠となっている。そのため認可保育所の多くはその開所時間を7:30から18:30としている。しかし大都市部では、生活サイクルが24時間になっていることもあり、夜間勤務、不規則勤務の雇用者が多い。国の認可保育所のシステムの硬直化のため、あらゆる面で需要と供給のミスマッチが広がり、待機児童を生み出しているのである。
「保育所の定員は余っている」
そもそも驚くべきことに、保育所の定員は実際は余っているのだ。2001年(平成13年)4月の時点で、都内の認可保育所の定員154,648人に対し、入所児童は147,885人である。6763人もの枠が余っているにも関わらず、7348人もの待機児童が発生しているのだ。それは上述したように、0,1,2歳児の枠が少なく、3,4,5歳児の枠が余っているためである。
全体としてのキャパシティがあるのだから、システムを変え、不足している0,1,2歳児の枠を増やせば、待機児童問題は本来、今ある施設数で対応が十分可能なのである。
しかし国はそのシステムを根本から見直すことはしない。
| 定員・入所児童数(注:休止中一ヵ所除く) |
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0歳 |
1歳 |
2歳 |
3歳 |
4歳以上 |
合計 |
| 13年4月 |
定員 |
- |
- |
- |
- |
- |
154,648 |
| 入所児童 |
9,376
6.3% |
20,549
13.9% |
25,954
17.6% |
30,005
20.3% |
62,001
41.9% |
147,885
100.0% |
| 14年4月 |
定員 |
- |
- |
- |
- |
- |
156,532 |
| 入所児童 |
9,601
6.3% |
21,179
14.0% |
26,562
17.6% |
30,699
20.3% |
63,229
41.8% |
151,270
100.0% |
「無認可保育所が待機児童の受け皿」
結果、都内に約1400ヵ所ある無認可保育所が待機児童の受け皿となってきた。しかし無認可のため、中には有資格者が不足したり、環境が劣悪だったりしたところもある。
2001年(平成13年)3月、豊島区の無認可保育所 「ちびっこ園池袋西」 では、同じベッドに乳幼児2人を寝させ、4ヵ月乳児が窒息死した事故があった。
「都市型保育ニーズに応える認証保育所制度」

「認証保育所視察」
画像提供:東京都 |
このような背景があり、都には子育てをしながら働く女性から「送迎の便利な場所に保育所がほしい」「産休明けから預けたい」「残業中も預かってほしい」「行政の目が届く保育所に預けたい」といった声が寄せられていた。
そこで石原は国の認可保育所に頼るのではなく、都独自の基準を設け、都市型保育のニーズに応える新しい保育所の設置に乗り出した。これが認証保育所制度である。
児童1人あたりの保育面積や施設の定員を国の基準より緩和する一方、0歳児保育と13時間以上の保育を義務付けているのが主な特徴で、送迎に便利な駅前型と小規模な家庭型の2種類がある。都によると、認可保育所では2時間の延長保育を実施する施設は数えるほどしかない。認証保育所では、13時間の開所を義務付けているため、時間別に2ヵ所の保育施設を利用する「二重保育」の解消につながるとされている。
「事実でもって国を変える」
2001年(平成13年)の8月1日に都内三カ所でオープンし、そのスタートを切った認証保育所は、1年余りで100ヵ所に到達した。設置当初、都福祉局は3年間で50箇所の設置を目標としていただけあって、嬉しい誤算である。
国の認可保育所と異なり、都の認証保育所は、保育料の設定を事業者が決められるというメリットがあり、参入が急速に進んだ。その背景には当然、都会で働く人のニーズと合致したということがある。
ただ都の認証保育所設立の目的は、待機児童の解消だけではない。制度疲労を起こしている国の保育行政に対して、提案書などではなく、実際に都民の求めている保育所を作り、ニーズと合致したという事実でもってサービスの変革を迫っているのだ。
「国の待機児童ゼロ作戦の本質」
2002年(平成14年)4月から国は、待機児童の定義を変えた。認可外の保育所に入っている児童の内、自治体が助成金を出している保育所にいる児童は、待機児童から外すことにしたのである。つまり今後は、認可保育所に入所を希望していても、自治体独自の保育の取り組みや、幼稚園の預かりシステムなどで、一時的にお世話になっている児童は、待機児童としてカウントされなくなったわけだ。
国は「待機児童ゼロ作戦」を唱え、2004年(平成16年)度までに待機児童をゼロに減らすといっているが、これではただの数字のトリックでしかない。
「働く女性のため、そして日本の将来のために」
待機児童問題は、少子化問題と密接な関わりがある。福祉先進国の北欧諸国は、70年代から出生率が下落したが、80年代初めから上昇傾向に転じている。北欧諸国は人口が少なく、経済を維持するためには女性の労働力が不可欠だった。そのため女性が働きながら、子供を産むのが負担にならないように、70年代に保育所、幼稚園が増設されたのである。それが結果として、少子化対策に繋がっているのだ。
働く女性が増える中で、国の硬直化した保育システムでは、少子化になるのは当然のことなのだ。子供を産むことができるのは女性だけである。女性が働きながら安心して子供を産める体制を整えることこが、少子化対策となり、ひいては国力の維持に繋がる。
今後も石原は、働く女性のため、そして日本の将来のため、認証保育所の拡充と共に、国に保育行政の抜本的改革を迫っていく。
最新情報および詳細はこちらから
「福祉局」ホームページ
http://www.fukushi.metro.tokyo.jp/index.html


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