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2003年9月10日、石原慎太郎が自民党総裁選候補の亀井静香前政調会長の応援のため、名古屋市内での街頭演説をした際に、外務省の田中均外務審議官の自宅で発火物とみられる不審物が見つかった事件について発言した。一部マスコミでは、『問題発言』、として、まるで鬼の首でもとったかのように取り上げた。この件について石原は同年、9月12日に行われた定例記者会見で自らの本意を説明した。
この模様は東京都公式ウェブサイトにある定例会見のデータベースから視聴可能です。
石原都知事定例会見 2003年09月12日(3分35秒から)
また以下は会見の模様をテキストデータにしたものになります。なおこの日の定例会見では本件以外にもディーゼル車規制などについて知事からの発表、記者からの質問などがありましたが、以下のテキストではそれらの部分はカットしてあります。
「名古屋市内での街頭演説の本意について」
私がおととい名古屋であった街頭演説で言った言葉がどうも、私に言わせると、片言隻句だけが飛び回って誤解を生んでいるようでありますが、街頭演説というものは限られた時間ですし、聴衆も動くし、また上に立つと、後ろにも人がいて、後ろを向いてくれとか、右向けとか、左向けとか、周りから言われて落ちつかないんですよ。
そのような状況で、言葉が足りなかったかもしれませんが、いずれにしろ、ゆっくり時間をかけて私の所信を申し上げれば、理解されることと思います。今日、時間をいただいて話をあえていたしますが、いずれにしろ、あの演説でも、前後の脈絡を聞いていただければわかるはずだと思います。
それでもなお言葉が足りなかったと言われれば、それっきりでありますが、私としては、このような混乱になって非常に遺憾であります。しかし常識で考えても、実体があったかどうか知りませんが、爆弾を仕掛けたということは、理由が何だろうと、いいわけがないし、殺されちまったらいいなんていうことが言い分として通るものでもありません。
爆弾テロがいいか悪いかというのは、この法治国家で論を待たないところですが、ああいう出来事が当然の結果として起こった、その出来事を招来した、ああいうものが到来せざるを得なかった、その原因になった外務省の今までのやり方、その責任者であります田中均なる人物の言動も含めて、帰国者や誘拐された被害者、恐らく大半は殺されているでしょう、その家族の外務省に対する怒り、不満、不信、不安なるものが山積していることは否めない。そして、それは決して限られた被害者の関係者だけじゃなくて、やっぱり良識のある国民の私は不安、不満であり、怒りだと思います。
それがああいう異形な形であらわれたことはあってならないことでしょうが、今までの外務省の言動を見れば、私は、あり得てむべなるかなと思う。そういう経過があるということは国民の皆さんも承知しておられると思う。関係者だけではなくて、国民全体の怒りと屈辱、不満あるいは不安というものを外務省は、同じ日本人なんですから、同胞が抱いている怒り、不満、不信というものをしっかりと受けとめて、今後、言動してもらいたいと思います。
私も被害者の方々、あるいは、その事務局長の蓮池さんたちと話していますが、色々と聞き合わせますと、被害者やその家族、それからそれを理解している国民の怒りというのはむべなるかなと思いますよ。例えばね、世間は案外知りませんけど、東京でもあちこちで拉致被害者を救おうという街頭の募金をやっている。でもこんなものは被害者たちに全然関係ないんだね。そして、この金がどこに行ってるかさっぱりわからない。
そういう実態がありながら、これを管轄するのは警察か外務省か知りませんけれども、こういったものの取り締まりが全く行われない。これは金の問題じゃなく、物事がずさんに扱われて風化されていく、そういったものを、むしろよしとしているような政府という責任者の姿勢は、拉致被害の関係者だけではなく、本当に一緒になって怒って不安になっている、同情している国民の批判を、強く買うと思いますね。
国会が急いでちゃちな法律をつくった。で、みんなでお金出して面倒見ようと。このお金、幾ら出ているか知っていますか、皆さん。夫婦だったら月24万円。それはかなりの額だという人もいるかもしれない。俺は働こうとも働けない、だからホームレスをしているという人もいるかもしれない。しかし、25年間政府にほったらかしにされて、ようやく帰ってきた人たちに、何もしないで来た政府が「どうもお気の毒でした。お帰りなさい」と言って、月々24万円渡す。曽我さんは、1人だから12万円。子どもが帰ってきたら月額3万円支給するそうですが。
余り金額の問題とか、お互いに言うまいと被害者の方々が言い合っているようですが、私はやはり、再三交渉しながら見捨ててきた政府に対して払ってきた税金は、払う必要はなかったんじゃないかと思いますよ。彼らが25年間払ってきた税金を返してくれ。政府はどう答えるんですかな。
それに一々役人がくっついて回っている。例えば蓮池さんの、帰ってきたお2人のお父さん、お母さん、老夫婦と一緒に住んでいる。年金で暮らしている人のところへ、いきなり大の男と女が2人帰ってきた。着のみ着のままで。これは老夫婦にとって大変な経済負担ですわな。それで支給されたお金でも足りないし、じゃあもうとにかく、ひとつ、冬も近いし洋服の整理ダンスを買っていただけませんかと国へ言えば、3万円が上限だと。3万円の洋服の整理ダンスなんてありっこない。
で、おばあちゃんが、年金からお金を支出して、合わせて6万円で買いましたと言うと、6万円の領収書は困る、これは3万円に分けてこいと。スーパーでレシートをもう1つ、2つに分けろというのも、こんなことも常識ではできないことだけれども、そういうことを平気で言う。
それから、よくお帰りになりましたということで、日本の多くの方々から、こういう音楽を聞いて、まあ心を休めてくださいといって、いろいろCDが送られてくるそうです。それはありがたいんだけど、老夫婦の家にCDプレーヤーがないんで、せっかく皆さんから寄せられたこういうCDも聞きたいし、ひとつ政府でCDプレーヤーを買っていただけませかと言うと、役人がすぐ本庁へ電話して「だめだ、そんなものは。贅沢品だ」と言う。何が贅沢なんですか。こういう血の通わない姿勢というのは、一事が万事、お上のやり口であって、どこに被害者たちに対する同情が見られるか。本当にそれは聞けば聞くほど腹の立つ思いがしますよ。
それで小泉総理と金正日が会って、向こうが「私がやったんじゃないけど親父がやったんです。知りませんでしたが、犯人は懲罰しました」と告白した。嘘つけと。それで、この問題を解決しようと思って、ようやく外務省が言われて出かけていくときに、外務省の役人が田中均も含めてやって来た。冒頭、「あなた方のお気持ちはよくわかります」と言った。
言われた側にすれば、何を言ってんだ、25年間ほったらかしにしておいて、何を言ってんだと思うんですよ。それで、25年ぶりに初めて「お宅の家族の構成は。いなくなった方はどういう関係ですか」と聞く。そして、どこでいなくなったかその場所も聞く。どこまで(調書を)見たか知りません、警察じゃないんだからさ、綿密に見ないでしょうけれど。25年ぶりに初めてやって来て、「あなたのお気持ちよくわかります」と言われて、取ってつけたみたいな調査をし、行けば行ったで、帰ってきた外務省の役人が、ろくに調べもしないで、生きているのは5人だか6人だと言う。
被害者の家族の方々は子供たちがまだ生きていると信じている、信じたい。その人たちが「一体あなた方はその調査をしたんですか」と言ったら、「いえ、向こうがそう言いましたから」と言う。それは調査団になるんですか。そんな上っ面のことだけやって、当事者だけじゃなしに国民全体の信頼を得るなんてとても無理な話だと思いますよ。
それから、今総裁選が行われているけれども、どういう関係があるのか。何かみんな歯に物がひっかかったみたいだ。北朝鮮に経済制裁しますと言ってるのは亀井候補だけじゃないですか。質問の中で、この田中均はどうするんですと言ったら、「私は信用してます」と総理自身が言う。しかも総理が出かけていった際に、ブッシュと話をして、この北朝鮮も非常に厄介だと。拉致の問題もわかりましたと言って、サミットでもアメリカは助言して、これを登録してくれた。
それでブッシュと小泉総理が、今後の話し合いも必要だろうが、並行して圧力をかけなきゃだめだという合意を得て、発表しようと思ったら、この田中均なるものがそれを削ろうとしたんでしょう。これは越権というのか、背信ですよ。一国の総理大臣が決めた一番大事なことを一官僚が削れるんですか。そんなもの放置して一体、政府の体面、責任というのはどこにあるんですか。
これまた全然、とにかく国会で問題にならない。国会というのは何やってるのかね。私もいたから余り大きなことを言えないけど。それでいるかいないかわからないミスターXと交渉している。私は、この問題を一番熱心にやってくれている数少ない政治家の当事者の1人である安倍晋三君と対談したときに、「君、このミスターXってだれか知ってるの? 立場があるだろうから言えないだろうけどな」と聞くと「いや、私、本当に知りません。聞いても聞かせてもらえません。多分総理は知っているんじゃないでしょうか」と言う。
こういう実在するかしない人間が素材にされて、外交というものがどんどん恣意的に進められたら、私は怖い思います。これは想像してみても、田中均なる人が代表してやっている外務省の外交というのは、やっぱり国民に対する背信、それから、売国につながりかねないですね。越権というか、糸の切れた凧みたいで、非常に怖い気がする。
経済制裁も、ブッシュがやろうじゃないかと。それを行う当事者は日本でしょうからね、一番影響力があるのは。万景峰号の実態1つ見ても、他の軍事の問題は日本はそんなに影響力はないが。カイダがテロをやったときにアメリカは、海外でのアルカイダ関係の資産というのは凍結した。随分それは効果があったんでしょう。しかし、いずれにしろ、あったかないかは別にしても、そういう制裁の報復の措置をとるのは、私、国家だと思うけれども。
よく例に引くんですが、セオドア・ローズベルトの時代に、モロッコを旅行しているアメリカ人の夫婦が、夫が殺されて、その奥さんがなかなか美人なんで、誘拐されてハーレムに入れられた。それを聞いたセオドア・ローズベルトは激情、激昂しまして、軍艦を送って即座に艦砲射撃を始めて、実力行使でとらわれている1人のアメリカの女性を取り戻したという。私はちょっと大げさかもしれないけれども、それが国家の、要するに眼目だと思うし、国民の生命、財産というものを守ることが国家の最大の責任、最優先の責任じゃないかと思いますが。
残されている子ども、どうなるんでしょうかな。それも取り戻すために、あるいはまだ生きてるかもしれない同胞を確かめて取り戻すためにも、話し合いも必要だろうけど、埒が明かないんだから、これはやっぱり経済制裁もということは、当然だと思うが、それをあえてやるという候補者が1人しかいない。一体いつまでだらだらするのか。25年たったんですよ、25年。
そして、東京は、これは制裁じゃありませんけれども、美濃部時代に(朝鮮総連の施設に)わけのわからん措置をしてインセンティブを与えた。それで実体のない、要するに在外公館並みの特恵を受けている建物(朝鮮総連施設)を実態調査しましたが、全然そんな目的に使われていないがゆえに課税をした。向こうは、払わない。ならばということで差し押さえをしましたが、これだって陰に陽にいろんな圧力があるんですよ。出向いていく調査員だってみんな怖い思いをしている。
ちょっと話は違うが、行政というのは、やっぱり物によっては命がけのことがある。例えば大気汚染につながる、やくざが外国と絡んで行っているあの不正軽油。原油に硫酸をぶち込むだけで、色白くして売っている。こういったものの調査も、主税局の女性の職員が出ていく。行ったところには、3メートルもある金網の中にドーベルマンが放し飼いにされている。そんなところへ女性を差し向けるというのは、本当に心寒い思いがするんで、警察に頼んで初めて動いてくれて、警察官が同行するようになった。この問題でも、いろんな筋から圧力がかかりましたな、脅迫めいたものが。まあ、事ほどさように、物によっては、行政の担当者は命がけでやっていることがあるということを、国民も知っていただきたいし、外務省も知るべきだと思うね、私は。
外交にまつわる不祥事というか暗殺というのは今まで随分ありましたよ。例えば小村寿太郎がポーツマスに行って、日露戦争の講和条約を結ぶ。国民は激昂しているからモスクワまで攻めて行けだなんてばかなことを言っているけれども、日本の国力の限界が来ているからここら辺が手の打ちどころだということで合意を得て、小村寿太郎が、セオドア・ローズベルトのバックアップのもと条約を結んで帰ってくる。
しかし国民は不満。この国民の怒りがテロになったりしたらいかんということで誰が守ったかといったら、小村を送り出した明治の元勲たちが新橋の駅頭に迎えて、自分たちがボディーガードに立って、人垣築いて刺客から彼を守った。外交というのは、場合によったら命がけでやるんです。それぐらいの覚悟がなかったら、相手の言いなりにしかならないんですよ。
それから、ロバート・ケネディもそうだ。私がちょうどヨットの試合にアメリカに行っているときに、あの暗殺を聞いてびっくりしたけど。あれだって前々日に、イスラエルを支持するか、アラブを支持するかって質問を受けたとき、ロバート・ケネディは躊躇せずに、自分はイスラエルを支持すると言った。それに反発したアラブのサーハン・サーハンという男が、彼を拳銃で撃った。
やっぱり外交を手がける人間というのは、場合によったらそういうことがあるんというくらいの自覚を持ってやるべきだと思う。それはなぜかと言えば、やはり国民の生命、財産、つまり最大の国益というものがかかっているからなんですよ。私は、北鮮に誘拐、殺害された人たち、生きていると信じている家族たち、ほかに比べれば何とか無事に帰ってきた最大の被害者、生きている被害者たちに対する、外務省の今までのやり方というのは、血の通ったものだと思わない。それは小さな問題、大きな問題、ありますが、かねがね私はいろんなメディアを通じて言ってきたし、対談もしたし、物にも書きました。
でも外務省は一向に変わらない。政府もそれを変えようとしない。無能な外務大臣はおろおろするだけで、通り一遍の役人の書いた答弁をするだけ。私はやっぱりそういう経過の蓄積の上に、国民の怒りというものが堆積してきて、ああいう形になったと思います。だから私は、ああ、やっぱりこういうことが起こったんだな、当たり前にして起こったんだなという感じがしました。
街頭演説だからちょっと乱暴な言い方になったかもしれない。それが誤解を招いたのは大変遺憾ですが、本質的に私があの出来事を聞かされて感じたことは、外務省ウォッチャーとしても、ウォッチャーである国民の1人としても、つまりそう的を外れたものではないと思う。私は何も心情的に賛成したわけでもないし、あんなやつは殺しちまえと言ったわけでもない。ただやっぱり、こういう事態が起こるんではないか、起こるべくして起こったなという感じがしました。
今までさんざん政府に言ってきたけど、一向に動かない。やっと入管の問題を何とかしようということになったけど、あの日本の入国管理の杜撰さといったらない。一番の盲点は船橋あたりらしいが、東京湾でいまだにわけのわからない不法入国者がどんどん上がる。これを取り締まる措置というのを、何で国を挙げてしないのか。東京湾みたいな閉鎖水域だから、やろうと思えばできるのにやらない。そして、結局凶悪な犯罪が起こる。当然のことですよ。起こっているわけでしょう。
この間、逃げてしまった、福岡の親子4人殺した犯人の片割れというのは不法入国した中国人、支那人だ。これだって、当然起こったことじゃないか。国家の不作為、国家の不誠意が招いた事件ですよ。そういったことで私は申し上げたんでね。繰り返して申し上げるけど、政府も外務省も、もうちょっとピリッとしてもらいたいね。この問題はなかなか風化させてしまおうと思っても、風化できる問題じゃない。
ということで、私は、1人の日本人として、鬱憤やる方ない気持ちがあって街頭演説でああいう話をしました。本意はそういうことであります。街頭演説は集まる人数も知れてる。テレビだったら、多くの都民、国民が聞いて見てくださる。またいろんな反応があるでしょう。またそれがどんなものだったか、皆さんにお伝えしますけども。国民はそうばかじゃないよ。政府になめられてたまるか、ほんとにもう。
「質疑応答」
【記者】毎日新聞、合田です。一連の発言を撤回されるということでよろしいんですか。
【石原】撤回じゃないですよ。私の本意を説明したんですよ。
【記者】訂正ということでしょうか。
【石原】訂正じゃないんですよ。詳しく申し上げた。ただ、こういうことになって、非常に遺憾ですけどね。
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【記者】朝日新聞の高田です。北朝鮮というか外交政策への批判を展開されるということは、別にそのことをメディアでも、あるいは世の中でも非難しているわけではないわけですよね。例えばいじめをちゃんと取り組まなかった先生がいて、その先生の家に放火されて当たり前だと言ったら、それはおかしいじゃないかっていう、そういう類いと同じで、爆弾を仕掛ける行為が当たり前だと、当然だと……。
【石原】いや、行為じゃない。ああいうものが起こって当たり前だと。つまり当たり前の事態が起こってしまったということで申し上げたんです。
【記者】なるほど。そうすると、表現としては、そうは言っても今のことはかなり違うので、表現としては不適切だったというか、誤解を招く表現だったなというふうには……。
【石原】説明が足りなかったとは言えますね。それはやっぱり街頭演説で限られた
状況だから。今だから逐一申し上げた。私が、あの発言の根拠になった、私の印象も含めて、外務省が示してきた外交の実態というものの報告に誤謬があったんならそれは訂正しますけども、誤謬がありますか。
【記者】表現として、繰り返しますけれども、うちも全文載せましたし、他紙の方でも載せているところもありますけど、「北朝鮮とのかかわりの問題だって、何やっているんですか」と、でまあ、今おっしゃったような趣旨ですね。
【石原】そこで今のような演説はできませんから、私の持ち分の時間がありますから。だから、せっかくの機会だから、あそこの街頭で会った皆さん以外のもっと多くの日本人に問題提起をし、また一緒に考えましょうということで申し上げたんです。
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【記者】読売新聞の岡本です。野中さんの方に銃弾を送られましたけれども、あれも……。
【石原】銃弾?
【記者】銃弾が郵送された。これももう、同じ趣旨で言えば、当たり前ということになるのですか。
【石原】いや、それはわかりません。私は、野中さんの去就の意味合いはよくわかるようでわからないし、送った犯人がどういうコメントを添えたかも知りません。それとこれとは、私、かかわりないことですよ。私は少なくともそんなもののかかわりで申し上げたわけじゃありません。ただね、やっぱり暴力行為というのはいいわけはない。ただやっぱり、じゃ世の中にテロはなくなるかといったら、あるじゃないですか。
人間というのは、やっぱりそういうもの、最後に持っているんですよ。私はそんなもの、ちっとも謳歌もしない、正当化もしませんが、このまま国民がどういうふうに鬱積していって、どう爆発するのかな、どういうことになるのかなと、決して風化はしないぞと思ったら、ああいう形になった。これはやっぱり外務省なり政府というものが反省するなり自戒して、これからの行動をとった方がいいと思いますね。
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【記者】テレビ朝日、近藤です。昨日の演説の中でもう1つ、表現としてお聞きしたいことがあるんですけれども、「田中審議官が機動隊に逃げ込んだのはお笑い草」だという発言があったんですけれども、実際は警察の指示に従って、ほかの世帯と一緒に避難したということなんですが。
【石原】僕はそう仄聞した。事実と違うんだったら訂正します。
【記者】それを聞いて今、どのように、ご自身の発言についてどのように思われますか。
【石原】それはまあ、そう聞いたんで、そういう表現をしましたけど。それが事実と違うなら、訂正します。
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【記者】東京新聞の中山です。今の総裁選の応援に関して、まず先週の記者会見で、応援について、東京都知事という立場で余り肩入れはしないというような趣旨の発言もあったと思うんですが、それを応援演説、2回にわたって行ったんですけど、その辺、肩入れしているような印象もあるんですが。
【石原】まあそれは友人でね、協力するといったら、肩入れというかいわないか。しかし、例えば靖国参拝すると私人か公人かというくだらぬ質問をするけど、私人も公人も、とにかく私が、きょうは知事じゃない石原で来ましたって、通じるもんじゃないしだね。そんなものはほんとに言葉のあやでね。余り諸君も、片言隻句とらえて、大きなメッセージというものが何があるか、それが間違っているなら、私、幾らでも謝罪しますし、自戒もしますよ。国家がやっていることがよっぽど大事じゃないか。だれが泣いてんだ、一体、今。外務省のおかげで。
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【記者】朝日新聞の神田です。ちょっと話は戻るんですけれども、先ほど知事が説明されていた中で、爆弾を仕掛けるということは否定、そういう犯罪というのは否定しましたが、しかしああいう出来事が当然の結果として起こって、その出来事が到来せざるを得なかった原因になった外務省のやり方あるいは田中さんということをおっしゃったんですけれども、やはりあの不審物を仕掛けるという犯罪の原因は、外務省や田中さんにもあったというような認識なんでしょうか。
【石原】それはそうですよ、やっぱりね。怒りに燃えてやったんでしょう。同じ日本人として。ただ、やっぱり、その不満なり不安なり屈辱なり怒りの、要するに表示の仕方が私は正しいとは言いません。しかし、彼が生まれて初めて、有史以来やったんじゃない。そういう類例だっていっぱいあるわけだからね、そういうものをやっぱり覚悟しながら行政ってしなくちゃいけないと思いますよ。
【記者】東京の治安を預かる知事としてですね……。
【石原】そうですよ。だから、なおさら困ります、ああいうものはね。困りますよ。
【記者】昨日から今日にかけて、小泉首相や閣僚の中から抗議とか批判が出ているんですけれども……。
【石原】結構ですよ、それは。
【記者】それは結構だと。
【石原】結構ですよ。表向き、抗議とか批判せざるを得ないだろう。
【記者】それは表向きだということですか。
【石原】それは知りませんね。内心そのとおりだと思ってるかもしれないし、外務省はけしからぬと思っている閣僚だってたくさんいると思うしね。
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【記者】毎日新聞の奥村です。知事が名古屋とか池袋の発言で、今ご説明いただいたように、外務省のぴりっとしない対応を批判されたということは……。
【石原】ぴりっとじゃないね。もうなんか全然違う方へ舵切ってるね。
【記者】ということは、今のご説明で本意はよくわかりましたけれども、ただ、今回、然そういうのはしかるべくして起こったという文脈で話されると、つまり義勇軍だとか征伐隊だと名乗る犯人グループが、彼らがこの発言を聞いて勇気づけられて、また同じように繰り返す。つまり、彼らがどのように受け取るかというのはどのようにお考えでしょうか。
【石原】そこまで考えたことないし、どういう手合いがああいうことをやっているのか、そのメッセージ、短いだけではわかりませんがね。やっぱり痛烈な批判の、ある意味じゃ非常に乱暴な手だてであるということだけは理解できますな。理解できるってことは、ああやっぱりこういうことが起こっちゃったかという気がしましたよ、私はね。
【記者】それで、国民が政府の対応に怒りを持っている、あるいは被害者の方も怒ってるというのは、多くの人がそう思っていると思いますが、その代表的な表現手段として、彼らは爆弾を仕掛けたというふうに解釈するのでは……。
【石原】いやいや、そうじゃないですよ。国民はいろんな感情、千差万別で持っている。その総体のエネルギーがああいう、噴出すべからざるところから噴出したというとですよ。ただやっぱり、ああいう事例が、いろんな形であったでしょう。それは浅沼稲次郎委員長だって、やっぱり僕らに言わせれば、おかしな、滑稽なことするなと思っていましたけどね、ああいう形で山口二矢君が出てきてテロを行う。
やっぱり世の中ってのはそういう繰り返しでね。だからやっぱり行政や人間も慎重にというか、何が国家の利益に沿うか、自分の保身だけじゃなしに、そう肝に銘じてやってもらいたいね。
【記者】そこで、爆弾やテロ行為は許されないが、田中審議官のやり方はという別の次元の問題として知事も発言されたら、このような誤解を招かなかったのかなと思いますが。
【石原】まあ、だからね、今、縷々申し上げたと思うけども、街頭演説なんでね、ちょっと説明が足りなかったら申しわけないと思いますし、遺憾でありますが。しかし本意というものは、今、縷々私は説明したつもりであります。このまま1冊の本に出すつもりもないけども、言いたいことは文章にして、自分のインターネットにも載せてもいいと思うし。
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【記者】毎日新聞の合田です。こういう風に、改めてこの場で言葉が足りなかったというふうなことをおっしゃいましたけれども、こういうふうに説明をしようと思ったのは、何がきっかけなんですか。
【石原】いや、それはね、なんかえらい騒動になったみたいでさ。私の本意が伝わっていないから。僕はだけど、あの演説を聞いている中でも、皆さんは何を言うのかというよりも、むしろ僕は納得していただいたと思いますがね。それはそれ、これはこれでメディアがそれだけお騒ぎになるなら、メディアを通じて私の本意を皆さんに伝えた方がいいと思ってお話ししたわけであります。
【記者】わかりました。それと、もう1問。知事は日ごろから、役人を使ってこそ政治家だということをおっしゃいますよね。
【石原】そうそう。役人は公僕だからね。
【記者】また、亀井さんの応援でも、国との、運輸事務次官を呼び出して調査費をつけたと、そういうふうなことで、そもそも今回のことで、田中審議官に会って何か言ったことはあるんですか。
【石原】田中審議官には言いませんけど、間接、直接的に政府にも言っているしね、もっと偉い人に言っていますよ。それは外務大臣がやることでしょう、せいぜい。あるいは官房長官がやることでしょう。場合によっては総理大臣がやることでしょう。まあでも今の国の政治家というのは、残念ながら役人に使われているね。それは司馬遼太郎さんが言ったとおり、あのころから全然体質変わっていない。太政官制度のできた中央集権官僚統制国家ですよ。
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【記者】日本テレビ鈴木です。先ほど生文局の方から、都民の声の結果が発表されまして、知事の発言に対して、知事は先ほど国民はそうばかじゃないよとおっしゃいましたけれども、賛成と反対で、反対が約5%程度上回るという僅差、42%と57%で15%ぐらいということで僅差となったわけなんですが、知事はこれに対してどう思われますか。
【石原】いや、それはだから、あなた方がやった今までの報道の限りでそういう数字が出てきても、片言隻句というものをとらえてのムーブメントの中でのこと。だから、私はこうやって時間をかけて申し上げたんで、またこの結果を見てみようじゃないですか。
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【記者】朝日新聞の村上です。三たびというか四たびというか、また発言の方にご質問を戻らせていただきたいんですが……。
【石原】何を言いたいんだ、君は。何を。
【記者】これから申し上げます。先ほども質問がありましたが、昨日の池袋の「この田中何がしが逃げ込んだところが機動隊だった。お笑いだね、全く」というご発言がありました。先ほどの質問の中で、「事実と違うようなら訂正します」というご発言があったんですけれども、事実云々とはまた別にして、もし田中さんが機動隊に逃げ込んでいたとしても、この事件の限りにおいては、不審物を置かれた事件の被害者でいらっしゃって、当局の方に逃げ込んだというのは、私の感覚からすれば、別にそう不思議なことじゃないと思うんですが。
【石原】ただ、やっぱり今まで彼がやってきたことが、国民にとってのどういう価値、不価値を持つかということを考えれば、私はやっぱり、それ以上のことは申しませんけれども、その人物というのは全然評価できないね。
【記者】人物の評価とは別にして、「逃げ込んだところが機動隊だった。お笑いだね、全く」というのは、どういうご意図でご発言なさったんでしょうか。
【石原】やっぱり自分がやってきたことに対する、何というのかな、本当の自分の反省というか、理解というか、正当な評価というのを自分でしてないんでしょうな。
【記者】被害に遭われてからの避難の行動についてもこういうふうにおっしゃった。「お笑いだね、全く」とおっしゃったのは、どういう意味なんでしょうか。
【石原】いや、だから、彼がやっていることは、もっと大きな意味でお笑いだからね。自業自得とは言いませんよ。しかし、こういう機会でもなかったら、彼は、やっぱり自分のやったことの絶対値についての反省なり評価というのはしないんじゃないですか。これがこのまま通っちゃうものかね、こういう外交というのは、世の中で。日本で通っていいと思うの、朝日さん、ねえ。
【記者】ごめんなさい。質問のベクトルとちょっとずれているような。
【石原】いや、ベクトルはずれてない。私があなたに逆に聞いているんだよ。聞きたいんだよ、僕は逆に。今の外交でいいのかよ、朝日、えー、本当に。みんな怒っているよ。もう、いいよ。
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【記者】産経新聞の阿部です。私もいろいろ聞いて、考え方を整理して自分の中で考えたんですが、先ほど知事が、総体のエネルギーが噴出せざるを得ないことが起きたというのは、外務省なりの国民のいろんな批判とか不満というエネルギーが社会的に広がっていて、いいとか悪いは別にして、テロをする人もいるし、そういうのを批判する人もいる。
それでエネルギーが高まっていて、そこが1つの突き抜けるところとして、いい悪いは別にして、そういうテロ的な行動が起きたということが、知事のおっしゃりたかったことであってということでよろしいわけですね。
【石原】そうです。
【記者】ありがとうございます。
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【記者】朝日新聞、神田です。外交のやり方はこれでいいのかということをおっしゃいましたけれども、知事の発言と、外交のやり方を批判するというのは、ちょっと別の問題だと思うんですが。
【石原】そんなことないね、よく考えれば。あなた、速記とっているか、レコードをとっているか知らないけど、家へ帰ってもう一回聞き直してみてよ。全然別のことじゃないです。濃密な関係がありますよ。

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