|
「ヘブンアーティストとは」
|
ヘブンアーティストとは、大道芸人やミュージシャンらに公共の場での活動を認める資格制度のことだ。
公開オーディションを行い、合格者には東京都からライセンスが発行され、都内の公園や都営地下鉄の駅構内といった公共空間での活動が可能になる。大道芸につき物の、投げ銭も勿論OKだ。
アーティストたちに自己表現の場を提供し、文化振興にも繋がるこの制度。筑紫哲也氏がニュース23(TBS)の中で「こういうものは、お上がするものじゃない」とまったく見当違いの批判をしていたが、よく考えて欲しい。
|

ヘブンアーティストのオーデション模様
画像提供:東京都

公共パフォーマンス禁止の看板 |
|
|
これまで公共の場でのパフォーマンスは、他ならぬ行政が禁じていたのが実情である。たとえば公園の場合、管轄である東京都建設局は都立公園条例を盾に大道芸の申し込みがあっても認めなかった。路上に関しては警察庁が道路交通法を盾にただただ闇雲に反対していた。それ故に大道芸人は条例違反・法律違反を承知の上でその活動を続けていたのである。
「大道芸は警察とのいたちごっご」
1984年(昭和59年)からパントマイムに手品を織り交ぜた大道芸を繰り広げている「ハッピィ吉沢」さんによると、これまでの活動は「警察とのいたちごっごだった」と言う。

『ハッピイ吉沢・加納真実』さん |
「これまでは通報されると、警察がきて、今すぐ止めるように注意され、また移動するという、要するに警察とのいたちごっごの連続でした。
それでも上野公園の場合は、4、5年前までは大道芸は実際には黙認の状態で活動のメッカだったんです。でも次第にイラン人が集まり、偽造テレカや麻薬の密売などの犯罪が跋扈し始めました。そこで警察は、違法なものは全て撤去するということで、そのあおりを受け、大道芸も一斉に排除されました。
そういったこれまでの状況を考えると今回の制度はまるで夢のようです。何しろ警察を気にせずに、堂々と芸に没頭できるわけですから。」
「行政が禁じているが故に行政が認める」
「芸術家はのたれ死ね」といって憚らない石原は本来、表現活動をするものに対してお上が保護をすることなど好まない。『太陽の季節』で芥川賞を受賞し、作家として世に出た石原は約半世紀に渡り話題作を世に出し続けているが、その作家活動にお上の保護があったわけではない。全ての業績は自らの力で勝ち取り続けているのである。
ただ作家にせよ画家にせよ自らの表現を問う場所が既に存在しているケースならともかく、こと大道芸に関しては、他ならぬ行政が認めない限り、全ての活動が違法行為となってしまうという一つの逆説が生じているのだ。
それ故に石原はこの制度を導入したのである。
ただ誰にでも活動場所を提供するとなると、収拾がつかなくなる恐れがある。そのため大道芸人に詳しい俳優の小沢昭一氏を始めとする審査員により、ある一定以上の水準を持ったものにライセンスを付与するという形を取っているのだ。
「よりアーティストが自由に活動できるように」
現在はアーティストがヘブンアーティスト事務局(東京都)に電話をした上で、場所の予約を取ることになっているが、今後は都を挟むことなく、アーティストが直に場所を確保できる方向に持っていく方針だ。ヘブンアーティストの事業を手がける東京都生活文化局によると、この制度を初めて以来、民間からも活動場所の提供を申し出るケースが増えているという。行政が禁じているが故に行政が認める。この石原の逆説的な発想が大道芸文化を日本に根付かせる水口を開いたのである。
石原も東京都の公式ホームページで以下のように呼びかけている。是非足を運んでいただきたい。
「いずれにしろ、一方的に警察が取り締まるんじゃなしに、日本人が持っている劇場では味わえない芸の可能性っていうものを、みんなが暇に応じてオープンなスペースで楽しみあうってことは、私は好ましいことだし、東京の魅力をまた一つ増すことになるんではないか、特に、疲弊していく商店街の一つの娯楽の吸引力、アトラクティブネスとして、私は、やっぱり、こういう行事を育てて行きたいと思っています。
どうか、皆さん、ぜひ、どこかで大道芸をやっていたらね、ちゃんと形の決まった、その人たちにしか持てないお賽銭箱を備えてやっていますから、そこに『これはいいな』と思ったら、金一封、コイン一つでもいいから投げ込んで、彼らを応援してやってください。よろしくお願いします。」
最新情報および詳細はこちらから
活動予定は以下のホームページからダウンロードが可能です。
「ヘブンアーティスト」ホームページ
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/heavenartist/index.html

|