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「日本のアニメーションを世界に発信し、商取引の場を」

アニメフェアを視察する石原知事
画像提供:東京都 |
東京国際アニメフェアとは、国内・海外のアニメ関連企業が一同に会するアニメの見本市のこと。アニメに特化した国際的な見本市は世界でも初のことだ。日本のアニメ関連企業が国際的な商談の場に参加する機会を提供し、アニメ関連産業の振興を図り、更に世界に向けて東京のシティセールスを行うことが狙い。
2002年(平成14年)より毎年開催されている。「見本市」の他にも、若手クリエーターの育成に重点を置いた「コンペティション」やシンポジウムやコンペ映画の上映会などが催されている。
アニメフェアは「日本のアニメーションを世界に発信し、商取引の場を」という石原の提案により実現に至ったわけだが、その背景には一見華やかに見える日本のアニメ産業の構造的な問題がある。
「世界で最もアニメ産業が盛んな東京 しかし課題は多い」
現在、アニメ産業は総額一兆円にも昇る巨大産業に成長している。また日本のアニメ産業の市場規模は全世界の約65%を占めており、その内の約70%もの作品が杉並区を中心とした東京で制作されている。換言すると東京は世界で最もアニメ産業が盛んであり、アニメは東京の地場産業とも言える。このような数字だけを見ると日本のアニメ産業は前途洋々に映る。しかし課題は多い。
「制作者に満足な支払いがなされていない」
アニメ制作の現場では長年、労働条件の過酷さや、制作者の著作権があまり保護されていないなど多くの問題をはらんでいた。アニメ制作はこれまで行政が関与せずに民間主導で発展してきた。言い換えればアニメを作ることが大好きな人々の情熱に支えられて発展してきたのである。そのためアニメは産業というよりも文化的な側面が強かった。
故にアメリカなどの海外の会社と法的にも対等に渡り合える人材が少なく、ビジネス展開が欠けている。『アストロボーイ』や『アルプスの少女ハイジ』など日本のアニメは海外で放映されてから、約40年になるが、そのほとんどはヨーロッパやアジアであった。アメリカへの進出は、1999年に『ポケットモンスター』がヒットするまでは、一部のコアなファン向けの市場しか開拓されていなかった。その後、アメリカでも日本製アニメ輸入の機運が高まっていったのである。
現在、アメリカでは、アニメ番組の約半分を日本製のアニメが占めているが、制作者に満足な支払いがなされていない。
「作り手の思いが優先するとリスクが大きい」
また日本のクリエーターは、徹底的なマーケットリサーチに基づき、システマチックに役割分担を決め、売れる商品を徹底的に追求し世界戦略を練っているアメリカとは異なり、個人の思い入れで作られることが多い。作り手の思いが優先すると産業としては非常にリスクが大きい。アメリカ資本で100億円を投入し、完成した『ファイナルファンタジー』は、日本人が作ったのだが、興行的には大失敗だった。
「アジアの台頭 −市場が奪われる懸念−」
更にアジアの台頭がある。これまでは日本製のアニメの下請的な仕事を、中国、韓国などが請け負ってきたが、現在、国策としてアニメ制作に取り組んでおり、土地間競争が激化し、パイが奪われていくことが懸念されている。
発展途上国は、往々にして自国の産業保護の観点から、海外番組の放映時間が規制されていることが多い。しかし今度、規制緩和が進めば、より一層の競争力が求められる。
「アジア地区にはアニメの見本市がない」
世界的に見るとアメリカのNIPやカンヌで行われるMIPといったテレビ番組の見本市があり、この中でアニメの商談も行われている。しかしアジア地区には存在しなかった。このような状況でたとえばWTOに加盟した中国がアニメの市場を作ってしまうと、そこまで足を運ばなければならなくなる。
そもそも中小企業や個人などは足を運ぶことが難しい。更に全ての作品を持っていけるわけではないし、往々にして日本が売りにいくと値段を叩かれるという傾向があった。国際競争力が高まる中で、もはや日本国内だけを視野に入れているとアニメは衰退してしまう中で、何らかの対策が求められていた。
「行政が市場をつくり、ビジネスの機会を提供」

石原知事から公募作品グランプリのトロフィーを
受け取るハンテホ氏
画像提供:東京都 |
上述したような問題が背景にあり、石原はアニメを東京都の新しい文化産業として世界に発信するために、アニメフェアの開催に踏み切ったのである。アニメ単独の市場は世界初のこと。行政の支援がなく民間主導で発展してきたアニメ産業は、制作プロダクション、出版社、テレビ局、広告代理店などみな縦割りであり、連携してプロジェクトを進めるということが出来なかった。そのため東京都が旗振り役となり、アニメフェアという市場を作り、ビジネスに繋がる機会を提供したのである。
アニメフェアは線香花火のように一過性の施策ではない。現在、3年連続で開催され、毎回好評を博している。3回目となる東京国際アニメフェア2004では、国内・海外からアニメ制作会社、玩具・ソフト開発会社、映画・テレビ会社、出版社など、アニメ産業に関わる160社以上の企業・団体が出展。来場者数も国内・海外から4日間で約73,000人に昇った。
今後も世界に東京のアニメを発信し、産業として世界的に更なる発展を遂げるべくアニメフェアは開催される。
次回は2005年3月に開催予定。
詳しくは以下のアニメフェア公式ウェブサイトをご覧ください。
2004年度 http://www.taf.metro.tokyo.jp/index.html
2003年度 http://www.taf.metro.tokyo.jp/2003/index_ok.html
2002年度 http://www.taf.metro.tokyo.jp/2002/top.html


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